フィリピン武術・カリの接近戦ドリル、フバットに加え、
ジュンファンのチーサオトレーニングを行いました。
今回時間を掛けてじっくり取り組んでみて、
このトレーニングの有効性や、奥の深さをあらためて知る事となりました。
それと、
流龍が将来インストラクションしたいクラス内容の方向性も
新たに得ることができました。
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「チーサオとは、エネルギーを流動させる練習なのだ。
自分の手を相手の手に接触させ、相手の手の動きに従い、
何も考えず、自然な動きの中でカウンターを繰り出す」 <ブルース・リー>
ジュンファン・チーサオトレーニングは、
ブルース・リー師祖が渡米後、まだジークンドー(截拳道)を創始する前に
ジュンファン・グンフー(ご自身の中国名である、李振藩【リー・ジュンファン】
にちなんでいる)を教えていた頃から存在していたトレーニング方法ですね。
ジュンファン・グンフー(振藩功夫)の母体とも言える詠春拳。
その攻防の要となる接近戦のセンスを磨くためのトレーニングとして
チーサオがあるのですが、
ジュンファン・スタイルでは師祖が足のスタンスやカウンター技法などに
若干の改良を施されました。
このトレーニングでは、
どちらが攻撃と防御に分かれて行うという役割分担はありません。
パートナーとお互いの前腕が交差する近い間合いで接触し、
ただ基本の構えを崩さないようにお互いの腕を旋回させます。
無心になって左右に旋回させる基本の動作を繰り返し、
自分の腕や手をセンサーのようにして
接点で相手の力の方向や強さ<エナジー>を
感じ取る練習をします。
このセンサーの感覚を養う為には、
視覚からの情報に頼り過ぎない事が重要です。
実際に師祖がチーサオトレーニングを行っている
写真や記録映像では目隠しを使っているものがあります。
構えは自分の正中線(中心線)を守る事を前提としています。
腕を旋回させている間でも相手に攻撃の隙を与えないよう
常に正中線はブロックし続けます。
そして同時に
相手の構えの崩れを接点から察知する能力も養います。
繰り返す動作の中で、
<接近戦において瞬時に攻防に転じる為の感覚を養う>
というのがトレーニングの主旨です。
様々なエナジーを感じ取るのに
出来るだけ多くのパートナーとトレーニングするのが良いのですが、
先ずは、
チーサオのトレーニングに熟達した相手に指導を請うのが
正しく習得する上で必要です。
また、一口にチーサオと言っても
両手で行うものや片手だけで行うものなどのバリエーションがあったり、
他のジュンファンのエナジードリルと組み合わせたり、
約束組み手のように
(と言っても決まった殺陣が組まれている訳ではなく)
トラッピングによるカウンターを組み込む事で
数多くのバリエーションに発展します。
習熟している者同志でチーサオトレーニングを行うと、
目まぐるしいスピードで様々な接近戦の攻防が展開されることになり
初心者や、トレーニングの意図を理解していない人にとっては
その光景に、何が行われているのか分からないという印象を
受けるでしょう。
そして、
このトレーニングが実戦で役に立つ機会というのは、
本当に稀なことだと思います。
でも接近戦で敵より優位に立つためには
トラッピングを駆使できることが重要で、
一瞬のチャンスを捉えて相手の手をトラップする為には
チーサオで鍛えた<エナジーを感じ取る>感覚がものをいうのです。
但し、
トラッピングの練習を行うとき、
我々は理論の理解に務めながらも、先ずは形から入ることになります。
あたかも敵の手の位置が決まったポジションにあり、
決まった動きしかしないかのように、
決まった攻防を繰り返し練習する訳です。
(もちろん様々なバリエーションで練習しますが)
なので、
たとえこの段階での練習で上手くトラッピングを駆使できても
実戦で応用できるまでにはまだ至っていないのですね。
<敵の攻防を予測してトラップするのはほぼ不可能と言えるから・・・>
流龍は正直なところ、
チーサオに苦手意識を感じてきました。
手の構えや動きが非常に難解に感じて、
実戦で生かされる場面も少ない。
そして、
「練習の為の練習」といった感覚に捕らわれていたので。
で、実際その否定的な感情でチーサオを続けても
なかなか上達はしませんでした^^;
だから、
「いろんな局面で本当にトラッピングを駆使する事が可能なのだろうか」
という疑問をいつも抱えていました。
ところが、今回じっくり時間を掛けて取り組んでみると
何だかチーサオの面白さみたいなものを感じることが出来たのでした。
難しいという固定観念に捕らわれず
無心になって相手のエナジーを感じ取る事から始めればいい!
先ずは謙虚に素直な気持ちで取り組む事がチーサオ上達の第一歩だと
思えました。
これは、
反射的に相手の攻防に対応する敏捷性を養うだけでなく
物事を広く捉えたり肯定的に解釈したりする
精神面でのトレーニング効果もあるのだと思います。
流龍は今チーサオを、
武術のトレーニングとしてだけでなく
心身を鍛える健康法<フィットネス>として
広く一般的に紹介していきたいという気持ちに駆られています。
その為にも、面白さを伝えていけるよう
これからガンガン練習して上達していきたいですね^^
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少しお尋ねしたいのですが、そこの名古屋支部には女性の方は稽古していらっしゃいますか?あと、カリやジークンドーなどに興味があっても、体力のない女性は無理でしょうか?
現在、名古屋支部では女性メンバーは残念ながらいません。
過去には数名女性メンバーがいたのですが、
それぞれの事情で継続には至っていません。
但し、
これは「体力的にハードで続かない」という理由ではなく、
モチベーションの問題だと思います。
数は非常に少ないですが、既に
ジークンドーの女性インストラクターも誕生しています。
武術や護身術は、体力のない方や小柄の方こそ
学ぶべきだと思います。
「力の強い相手に対し、どのように対処するのか」
といったことも学ぶからです。
また、
競技に参加することもないので、体力の限界に挑むような
激しい練習は行いません。
要は「自分が何を目指したいか」ですので
ご自分のペースで取り組む事ができます。
もし、
ご興味ございましたら練習に見学もしくは
体験入門を検討してみて下さい。
その後に、入会するか考えていただければいいと思います。
他にもご質問ございましたら
お気軽にお問い合わせ下さいね。